無垢材を使用した家具やフローリングの表面には仕上げ塗装が施されています。
仕上げ塗装とは表面の最終的な加工の事をさし、そのほとんどはキズや汚れを防ぐために塗装を仕上げに施しています。
より自然の状態に近いものから使用する用途や場所に合わせたものなど、塗装には様々な種類があります。
そこで今回は、主な仕上げ塗装の紹介と特殊な加工についてもご紹介します。
1.塗装の種類と特徴
オイル塗装(浸透系の塗装)
- 仕上げ方法
- 天然の植物性油脂を主な原料とした塗料を、木の内部にまで浸み込ませる仕上げ方法です。
- 印象
- 木そのものの自然な質感を残した仕上がりです。表面はややマットな仕上がりです。
- お手入れ
- 硬く絞った濡れ布巾で拭き上げます。
乾燥や汚れを防ぐために、定期的にオイルを使ったメンテナンスも必要です。軽いキズや落ちない汚れは、自身で研磨し、修理する事も可能です。 - 耐久性
- 木が持つ調湿性能(乾燥している空間では湿度を高め、湿度が高い空間では湿度を下げる力のこと)を残した塗装なので、調湿作用を活かすことができる反面、湿度の変化で反りや割れ、曲がりが生じやすいです。
ウレタン塗装(コーティング系塗装)
- 仕上げ方法
- ウレタン樹脂という素材を薄くコーティングする仕上げ方法です。
- 印象
- 表面に塗膜ができるため、光沢感がでます。表面はツルツルで肌触りは自然な木の質感ではなくなります。
- お手入れ
- 水や汚れを弾いてくれるので、軽い拭き掃除のみで綺麗な状態をキープできます。キズや汚れを修理する場合は一旦コーティングを剥がす必要があるため、業者さんへお願いしましょう。
- 耐久性
- コーティングしているため湿度の変化に強く、反りや曲がりが生じにくいです。
無塗装
- 仕上げ方法
- 全く塗装をせずに木材の表面を仕上げたもの。
- 印象
- もっとも自然の木に近い状態なので、天然の香りや肌触りを感じられます。
- お手入れ
- 乾拭き、ほうきを使った掃除が中心になります。汚れがひどい場所には硬く絞った布巾で拭き上げます。
- 耐久性
- 汚れがしみ込みやすく、湿度の変化で反りや割れ、曲がりが生じます。
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2.塗装の個性と比較
比較してみると、オイル塗装が全体的にバランスが良い様に見えます。ですが、それぞれに利点があり、使用する場所によっても結果が変わってきます。
オイル塗装 | ウレタン塗装 | 無塗装 |
---|---|---|
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3.個性が光る特殊な加工
無垢材を使用した家具やフローリングの表面には、様々な仕上げ方法が存在します。なかでも、個性が光る特殊な加工方法を一部紹介します。
- ダメージ加工
- 表面にあえて傷をつけた加工で、ヴィンテージ風な雰囲気のある仕上がりです。無骨でワイルドな印象です。
- 浮造り加工
- 木のやわらかい部分を削り取り、木目を浮き立たせた加工。見て美しく歩いて気持ちよい仕上がりです。滑り止め代わりにも使われます。
- 名栗(なぐり)加工
- 独特の削り痕が特徴的な日本古来よりの加工技術です。水に強く光沢が出るとされています。
- ラフ仕上げ
- 製材痕や割れなど、木材の特徴をそのまま残した仕上げ方法。自然の木そのものの質感が楽しめます。
4.まとめ
この記事では、無垢材に施される主な仕上げ塗装と特徴についておはなししました。
仕上げの方法によって、木材の雰囲気やお手入れ方法が大きく変化する事が分かりましたね。ライフスタイルや使用する場所に合わせて、仕上げ方法も選んでいきたいですね。
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